There's a place where I can go

ツイッター @hyokofuji ミサ

2020-01-10から1日間の記事一覧

【本】カラーひよことコーヒー豆

『カラーひよことコーヒー豆』 小川洋子 (小学館) 小川洋子のエッセイ集。 どの話も、小川さんが物や人に丁寧に接している様子が伝わってきて、読んでて楽しい気分になってくる。 「思い出のリサイクル」という話で、小川さんが些細な思い出を大事にして、…

【本】ステップ

『ステップ』 重松清 (中央公論新社) 結婚三年目で奥さんが突然亡くなってしまい、一人で一歳の娘を育てる決意をした、お父さんが主人公。 仕事が長引いて保育所に迷惑をかけたり、小さい子どもを育てているということで会社の人たちに気を遣わせてしまっ…

柳家小三治独演会 2010年4月10日

2010年4月10日、神戸の松方ホールでの柳家小三治独演会に行ってきた。クラシックのコンサートをやるような大きなホールなのだけど、二階席まで満席だ。 一階の十列目にある自分の座席に着いて、「結構近いなぁ」と思い、興奮する。 受付でもらったチラシ類を…

【本】きりこについて

『きりこについて』 西加奈子 (角川書店) 美男美女の両親の間に生まれたきりこは、みんなに可愛がられ、自分がぶすだということに全く気付いていなかった。 両親にとっては、きりこが客観的に見てどの程度の容姿であれ可愛いに違いないのだから「可愛い可…

【本】くまちゃん

『くまちゃん』 角田光代 (新潮社) ふられ話ばかり集めた短編集。 一つ一つの話は独立しているのだけど、登場人物が共通してたりして面白い。 《数年前にこういう経験をしたこの人が、今はこういうことを考えてる》っていうのが追えて、本当に実在する人物…

【本】見とれていたい

『見とれていたい』 柴崎友香 (マガジンハウス) 「女の子が踊っているシーンがあるというだけで、もうその映画は合格!」と言ってしまうほど女の子の魅力に弱い柴崎さんが、自分が素敵だと思う女優やアイドルについて自由に語ったエッセイ。 私もかわいい…

逸翁美術館

呉春の「白梅図屏風」が見たくて、池田市にある逸翁美術館へ行ってきた。市役所の前をずっと五月山の方へ歩いていく。 美術館はすぐわかるところにあった。 中に入ると一番に目に付いたのが「白梅図屏風」 右隻に描かれた老木の枝の様子がいい。 曲がりくね…

呉春

『美の巨人たち』で、呉春(松村月渓)という画家が紹介されていた。 彼は、江戸中期に隆盛を極めた、与謝蕪村、円山応挙とゆかりのある人で、江戸後期に新たな境地を開いた四条派の祖として有名。 四条派の作風は竹内栖鳳、上村松園、土田麦僊、小野竹喬に…

【本】静子の日常

『静子の日常』 井上荒野 (中央公論新社) 静子さんは、息子夫婦と高校生の孫娘と同居する、75歳のおばあちゃん。 彼女は家族の心配をよそに、スイミングスクールに通い始めた。 家の前からバスに乗ればフィットネスクラブの前まで連れて行ってくれるんだ…

カジヒデキライブ!

2月9日、心斎橋クラブクアトロであった、カジヒデキのライブに行ってきた。 『STRAWBERRIES AND CREAM』という10月に発売されたアルバムの曲を中心に、懐かしい曲もたくさん聴けて楽しかった。 今回はカジくんが事前にリクエストを募集していて、その中…

【本】人は見た目が9割

『人は見た目が9割』 竹内一郎(新潮新書) 非言語コミュニケーションについて書かれた本。 アメリカの心理学者の出した実験結果によると、他人から受け取る情報の割合は次のようになるそうだ。 顔の表情:55パーセント 声の質(高低)、大きさ、テンポ:…

【映画】おとうと

『おとうと』という映画を観に行った。 すごくいい映画だった。 吉永小百合が演じる吟子という女性は薬剤師で、町の薬局を経営している。 吟子は、娘の小春と義理のお母さんの三人で暮らしていて、夫はすでに亡くなってしまっている。 吟子には鉄郎という困…

【本】ヴィヨンの妻

『ヴィヨンの妻』 太宰治 (新潮文庫) 映画化された表題作を含め、八つの短編が入っているのだけど、私は『親友交歓』という短編が一番気に入った。 『親友交歓』 「小学校時代の親友だ」と言って、平田という男が訪ねてくる。 修治はその男を覚えていない…

【本】壁

『壁』 安部公房 (新潮文庫) ある朝起きると、どうしても自分の名前が思い出せない。 「まぁ、これぐらいのことはどうということもない」と思い、名刺入れを開けてみると、あいにく名刺は一枚も入っていない。 慌てて自分宛の手紙を引っ張り出すと、なぜか…

【本】美丘

『美丘』 石田衣良 (角川書店) 二十二階建ての校舎、屋上のフェンスを乗り越えて、目もくらむような高いところを歩いていく少女。 それを見た太一は自殺志願者かと思い慌てて声を掛けたのだけど、そんなつもりは全くなさそうだ。 その人騒がせな少女は同じ…

【本】夫婦善哉

『夫婦善哉』 織田作之助(新潮文庫) 十七で芸者になった蝶子が客として店に通っていた三十一歳の柳吉と夫婦になるのだが、柳吉には妻と四歳になる娘がいた。蝶子と駆け落ちした柳吉は、奥さんと別れ、実家には勘当され、子どもは柳吉の妹が引き取ることに…

【本】太陽と毒ぐも

『太陽と毒ぐも』 角田光代(マガジンハウス) 恋人たちの関係を成り立たせたり破綻させたりするものが、お互いの趣味や癖や生活習慣といったひどくみみっちいものだということを描いた短編集。 恋人たちの日常を描いているのだが、ロマンティックなところが…

M先生に会いに行く!

大学のM先生に会う約束をしてからの一週間近く、落ち着かなくて仕方なかった。 久しぶりに先生に会えると思うと前日はお腹の辺りがふわふわして困った。 百貨店で買った焼き菓子を持って、先生の研究室を訪ねた。 先生は外出中で「すぐ戻る」とメモが貼って…

色鍋島の華〜絵になる器〜展

小倉城庭園で「色鍋島の華~絵になる器~展」という企画展を見てきた。私は陶磁器を見るのが好き。色鍋島は、江戸時代に肥前鍋島藩によって将軍への献上品として作られていたもの。(貿易用じゃなくて国内向け) 染付けの藍色、上絵の赤・緑・黄の四色を用い…