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カジヒデキ真夏のトリコロールフィーバー 2012年8月25日

カジヒデキ真夏のトリコロールフィーバー神戸編(2012年8月25日)

カフェライブの会場は元町のボ・タンバリンカフェ。私はハンバーガーが大好きなのだけど、ここのチーズバーガーはすごくおいしくて、神戸に遊びに行くと食べたくなってしまう。ライブの日は食事ができないから、またライブのない日に食べに行きたいな。 

カフェに登場したカジくんは赤い帽子に黄色のカーディガンに青い半パン。信号みたいだなって思った。カジくんは「三原色にしたくて…」と言って、みんなを笑わせていた。 

一曲目は『甘い恋人』いつもながらカジくんはかわいさ全開!「甘い 甘い」とみんなで歌うのが楽しかった。『My Love My Milk』が聴けたのもよかった。 

アルバム『BLUE HEART』より『ビーチボーイのジャームッシュ』。この曲はカジくんのギターがめちゃくちゃかっこいい!『トリコロールフィーバー』では初めて『BLUE HEART』を聴いた時の感動がよみがえって、ちょっと泣きそうになってしまった。やっぱりこの曲大好き。 

『BABY BABY ,ME ME ME』を聴けたのも嬉しかった。この曲、私が生で聴くのは初めてだったんじゃないかな。『シヴィラはある日突然に』は友だちがカジくんファンになるきっかけになった曲なので、この日カジくんが演奏してくれてすごく喜んでいた。この二曲は歌詞に映画が出てくる。「水曜の夜 映画のあとのおしゃべり」とか。そこからカジくんが映画の話をしてくれた。 

今公開中の『わたしたちの宣戦布告』を試写会で観たそうで、すごくよかったとカジくんが言うから「絶対に観に行こう」って心に決めた。

カジくんはフランス映画が好きで「温かい感じのある作品が好き」って言っていた。カジくんの好きなゴダールトリュフォーは私も何度か観ているのだけど、今のところまだピンとこなくて、また何度か懲りずに挑戦してみようと思っている。 

私はカジくんが好きなものの話をする時の話し方がすごく好き。本や映画や音楽にどんなふうに接しているのかが伝わってくるような話し方だ。対象が何であれ、それをじぶんのための道具として扱わない人の話を聞いていると、好みの合う合わないに関わらず、すごく幸せな気分になってくる。好みが一致するかどうかよりも、ものに対する接し方に好感がもてるかどうかの方が、私にとっては大事なことなんだなって改めて思った。カジくんの好きなものを全部好きってわけにもいかないのだけど、カジくんが人やものに接する時の姿勢は全面的に信頼している。 

そんなカジくんの映画や本の話をもっと聞きたいと思っていたので、先月発売された『IN THE CITY』第6号のインタビューはすごく嬉しかった。特別付録・「カジヒデキの本棚から」というページでカジくんのオススメ本が紹介されるのだけど、選んだ本の共通点を聞かれてカジくんが「選んだ時点で『これは自分だな』と思った」と答えていた。そんなこと言われたら、全部手に取りたくなってしまう。
代官山蔦屋ではこの雑誌の発売に合わせてカジヒデキ選書コーナーを設けたそうだ。

インタビューの内容も素晴らしい!「『不屈』という字に『ネオアコ』とルビを振るこの男」「この強さの源は何なのか?」なんて導入部に書かれているものだから、読み始めたとたんに一気に期待が高まる。見出しが妙に強気なところも面白くて、「カジヒデキがやめたらネオアコはない」なんて書いてあるからちょっとびっくりした。 

インタビューのタイトルは「カジヒデキ『成熟しているものには、興味が持てない』」このタイトルはカジくんもツボだったのか、ライブ中に二回も読み上げて自分で笑っていた。 

聞き手のかたが素晴らしくて、『亜熱帯ガール』の「それが夢でも幻でも」という歌詞に焦点をあてて、カジくんのことを「ただただハッピーなだけじゃなくて、この世に夢や幻があることをわかっている人」って言ってくれているのがすごく嬉しかった。自分を高揚させる何かが幻であったとしても、それでもその一瞬を全面的に肯定できる強さがカジくんらしくて、インタビューを読んで改めていい曲だなって思った。恋の瞬間を歌っているようでいて、もう少し広く意味を取ることもできるところがカジくんの書く歌詞の魅力だと私も思っていたので、こういう話がすごく嬉しい。 

『亜熱帯ガール』はこの日のライブでもやってくれて「東京もいつの間にか亜熱帯」っていう歌詞の東京を神戸に変えて歌おうとしてくれたカジくんが、神戸と京都がごっちゃになって「きょうべ」と歌ってしまったのがおかしくて大笑いした。この日の午前中は京都にいて、伏見稲荷に行ったりもしたそうだから、混乱してしまったのだろう。無理もない。みんなで笑ったあと、ちょっと戻って歌い直してくれた。


biceさんがコーラスで参加した『15ANGRY MEN』というアルバムから『アイ・ライク・ア・クラウディ・デイ・イン・ストックホルム』をやってくれて、そのあとbiceさんがカバーしたことがあるというオリビア・ニュートン・ジョンの『ザナドゥ』を演奏してくれたのが印象的だった。スウェーデンでのレコーディングのエピソードも! 

「夏になるとかき氷売りがやってきた」というカジくんの子どものころの思い出話から、ジョナサン・リッチマンのカバーで『アイスクリームマン』を聴かせてもらった。これは一年前にカジくんが小西さんの代わりに『これからの人生』っていうラジオ番組を担当した時にかけてくれた曲。夏の終わりにピッタリで初めて聴いてすぐに好きになったのだけど、カジくんの演奏で聴けるとは思っていなかった。カジくんがカフェライブでカバーをやってくれるの、すごく嬉しい。アイスクリーム売りの鐘の音に見立てて風鈴が用意されていたり、真夏のカフェライブって感じでたまらなくよかった。「ワン・モア・タイム」を延々繰り返すのも面白かった。こういうの、私はすごく好きで、笑いが止まらなくて困った。

カジくんはジョナサン・リッチマンをすごく尊敬しているそうで、「すごく好きなコード進行があって、それを自分の曲にも取り入れたことがある」と話していた。私はコード進行が似てるとか似てないとかさっぱりわからないのだけど、この話をした時にナリくんが「それはカミングアウト的な話ですか?」って言ったのがすごくおかしくて笑ってしまった。 

自分の好きなものの影響が自分の作る物にどんどん入っていって、そこに敬意が感じられるのって、すごくいいなと私は思う。5月にあった新風館でのフリーライブで、15周年ライブグッズのタオルを両手で広げて頭の上に掲げて「マリメッコみたいなデザインにしようと思って!」と言い放ったカジくんが素敵だったのを、この瞬間にふと思い出した。カジくんのこういうところ、すごく好き。 

お盆休みに実家に帰って、家族でマザー牧場に行ったカジくん。お姉さんたちを相手にオリンピックの話で盛り上がったそうだ。カジくんはオリンピックの開会式・閉会式に感動したそうなのだけど、そこに登場するミュージシャンやコメディアンのことをアナウンサーがちゃんと紹介できていなくて、どれだけすごい人なのか全然伝わってこないことをすごく残念がっていた。お姉さんたちはイギリスのミュージシャンにカジくんほど興味がない様子だったらしいのだけど、それでも「解説を入れ直したバージョンをちゃんと作った方がいい。そうじゃないともったいない!」って力説するカジくんの話を「そうだね」と言って聞いてくれていたそうだ。熱くなるカジくんを想像して何だか嬉しくなってしまったのだけど、ここですかさずナリくんが「お姉さん、優しいですね」と言ったから思わず笑ってしまった。 

オリンピックの話のあとは、歌詞に「メダリスト」って出てくる『ヒツジ君とミツバチ君』を演奏してくれた。この曲のタイトルのヒツジ君は村上春樹の小説に出てくる羊男のイメージなのだそうだ。言われてみればちょっとわかるような気がする。カジくんの歌詞は謎な部分が多いのも魅力。ナリくんのサックスがすごくかっこよくて、CDでいつも聴いている以上にこの曲の雰囲気にピッタリだった。異次元に迷いこんで変な生き物に遭遇しちゃいそうな感じ。この曲の魅力が最大限に出ていた。ナリくんスゴイ! 

カジくんといえばフットボール!この日もフットボールソングを演奏してくれた。『Footballing Weekenders』と『Footy Boots』サッカーのことは全然わからないけど、カジくんのフットボールソングは大好き。 

もちろん『ラ・ブーム』も!これは私がカジくんファンになるきっかけになった曲。アンコールでは大好きな『ホワイトシューズ』もやってくれて嬉しかった。「輝け You&Me」と歌うカジくんがかっこよかった。 

ライブのあとにはサイン会があった。私は『BLUE HEART』のCDにプリントされたギンガムチェックのハートが大好きなのだけど、その上にカジくんのサインを入れてもらって、完璧!

「『BLUE HEART』すごく好きで、いつも聴いてます」「コヤブソニックも楽しみにしてます」って、ちゃんとカジくんに言えたからよかった。アルバム発売直後からカジくんに「『BLUE HEART』最高!」って伝えたいとずっと思っていたから、念願がかなって嬉しい。