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ツイッター @hyokofuji ミサ

【映画】キートンのカメラマン

キートンのカメラマン』1928年 アメリ

ニュース映画屋で働く彼女のそばにいるためにカメラマンとして職を得ようとするキートン。カメラマンは自分の男らしさを確認できる職業のようだけど、そんなところにキートンの関心はない。カメラマンとして雇ってもらうために懸命にスクープを狙うキートン。だけどドジばっかりで失敗続き。

落ち込んでいたところを彼女に励まされ、前向きな気分になったキートンは彼女を日曜のデートに誘う。
デートでプールに行くシーン。飛び込み台からジャンプしたキートンの水着が脱げちゃうのが面白かった。そんな時でもキートンはニヤニヤしたりしない。口を一文字に結んだキートンがどうやってプールサイドに上がろうか思案している様を見ているのが楽しかった。

立て続けに邪魔が入ってなかなか彼女と二人でゆっくり話もできないんだけど、それでもこの日のデートをキートンが後悔していない様子だったのがよかった。彼女からの電話が待ちきれずにアパートの中を地下から屋上まで行ったり来たりするキートン。世間的な価値観とズレがあるように見える彼だけど、ちゃんと自分にとって大事なものを持っていて、そのために真摯になれる。空振り続きでもめげずに突き進む彼をみていると、おかしいんだけど何だか泣きそうにもなってくる。

チャイナタウンでのマフィアの抗争をカメラに収める彼は、勇敢であろうとしないのに勇敢な態度を見せてくれる。このシーンがすごく好きだった。猿との共演も最高!

監督:エドワード・セジウィック
脚本:リチャード・シェイヤー
原作:クライド・ブラックマン リュー・リプトン