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ツイッター @hyokofuji ミサ

カジヒデキ15周年ライブ 2011年12月16日

2011年はカジヒデキのソロデビュー15周年ということで、15周年記念ライブが東京で11月25日、大阪で12月16日に開催された。東京・大阪ともにカジくん以外にも豪華なゲストが出演。まさに、カジロックフェス!!

~15Short Trousers 15th Anniversary~

2011年12月16日心斎橋BIGCAT

Open:18:00  Start:19:00

17:30に心斎橋のBIGCATに到着。開場前にグッズを購入。タブロイド紙とCDとコインケース。Kinkちゃんのデザインが最高にポップ!タブロイド紙の表紙の写真はボーダーをバックにしてボーダーを着たカジくんがケーキを持っている。カジくんの魅力がよく表れている素敵な写真。CDの写真も色がキレイ。自分の好みのものが目に飛び込んでくると気分が高揚する。ライブ前にワクワク感が高まってしまった。

DJはHALFBY高橋さん。「ベイビーポータブルロック」がかかって「おっ!」と思ったり、ライブが始まるまでの時間も楽しい。この日のライブはカジくんゆかりのミュージシャンが登場するので、そこも楽しみにしていた。

まずはHARVARD。初めて聴いたけど、すごく好きな感じで、聴いていて楽しかった。カジくんの登場も待ち遠しいけれど、もっと聴いていたいと思うぐらい。

続いてガリヒデキが登場。「ガリヒデキって何だろう?」と思っていたのだけど、ガリガリガリクソンガリヒデキと名乗っていた。ガリクソンは一人で出てきてお客さん相手に「秘密のヘンケンショー」というのをやってくれた。お笑いを生で見るのは初めてだ。初めて生で見るお笑いがガリクソンでいいのだろうか…。でも、とても面白かった。お客さんも大笑いだった。ガリクソンはこの日の出演者とお客さんのことを思う存分いじっていた。お笑いに興味がない人も惹きつけてしまうプロの手腕に感心した。

そのあとは、ヒダカトオルさんが登場。ヒダカさんはガリクソンに「あのヤンキー」呼ばわりされていたのだけど、サングラスに黒いポロシャツにジーンズで、カジくんとは随分違った空気をまとった人だ。そのへんを踏まえて「自分たちだけ他のミュージシャンと楽屋を別にされていた」という話をしてお客さんの笑いを誘う。千葉県出身というだけでカジくんと仲良くなっちゃったヒダカさんが、カジくんを家に招く時に何を出したらいいかわからなくて困ったという話が面白かった。悩んだ挙句ヒダカさんが用意したのは、紅茶とマカロン。「うん。おいしい」ってカジくんが言ってくれたのを、ちょっとモノマネしながら説明してくれたのがおかしかった。

カジくんトークで一気に会場を惹きつけるヒダカさんは、歌もすごかった。私が全然聴かない雰囲気の曲なんだけど、聴いていて楽しくなってきてしまう。ヒダカトオルファンの人たちもたくさんいて、会場が一気に盛り上がった。こういうお祭りだと、カジくんファン以外の人たちとも一緒にライブを楽しめるのが嬉しい。

再びガリヒデキが登場。なぜかボーダーTシャツ。お客さんを相手に毒づいていると、カジくんが割って入る。ガリヒデキから「カジカジカジクソン」と呼ばれたカジくんは紫のTシャツにアラレちゃんみたいな帽子、メガネで登場。カジくんのこんな姿が見られるとは思わなかった。ガリクソンが下ネタを取り入れたギャグをカジくんにやらせようとすると、お客さんから大ブーイング。カジくん自身も「イメージがあるので」と断固拒否。そのやり取りがおかしくてゲラゲラ笑ってしまった。

カジくんがガリクソンにいじめられていると、ヒダカさんの声が聞こえてきた。「あんまりカジくんを困らせるんじゃない!カジくんはお姉ちゃんの悪口しか言わないんだぞ!」知る人ぞ知るカジくんの《いい人エピソード》で会場を爆笑させていた。この辺でもう「みんな本当にカジくんが好きなんだなぁ」と思って、ちょっと泣きそうだった。

次はいよいよニール&イライザ。すごく楽しみにしていた!堀江さんとチャーベくんがステージに現れて「わー、ニール&イライザが聴けるぞ」と期待が高まる。カジくんがソロデビューをしたのは1996年で、ニール&イライザが『I love NY』を出したのも1996年。どっちもデビューから15年。堀江さんが「僕たちの15周年ライブに来てくれてありがとう。このあと、スペシャルゲストが登場します」と、勝手に主役の座を奪ってカジくんをゲスト扱い。大笑いしてしまった。そこからゲストの話をするという趣向でカジくんのうわさ話。

今年で還暦なのにあのキープ力はすごい。ヒアルロン酸打ってるんじゃないかな。彼にはお世話になったね。もう引退するらしいよ。残念だね。もう還暦だからね。「歌うのが嫌になったからロンドンに行く」って言ってたよ。惜しい人をなくしちゃったね。

なんて調子で、勝手に引退までほのめかして言いたい放題。堀江さんはトークが面白いうえにピアノを弾いて歌っている時はすごくかっこいい。このギャップがすごい。堀江さんの歌う「FIVE IDLE DAYS」を聴いて、カジくんの曲をまだ聴いていないのに「今日は来てよかったなぁ」と思ってしまった。この曲、すごく好き。歌詞がいい。

I spent five idle days in my room and I did nothing feeling good A-HA-HA.

I guess I make no mistake about my LIFE.

これを40代の堀江さんが歌うんだからたまらない。『I love NY』は大好きなアルバム。生で聴けて嬉しかった。

一緒にライブを観ていた友だちはチャーベくんファンなので、「my favorite shoes」と「Can I do it?」を聴けて嬉しそうだった。一心にチャーベくんを見つめる友だちの気配を感じながら聴くニール&イライザは、一人でCDで聴くのよりずっとよかった。やっぱりライブっていいな。感動してしまった。

「Cowboy Kate」では、チェックのシャツにベレー帽のカジくんがベースで参加。カジくんが歌わずに楽器を演奏している姿を見るのも好きだ。肩のあたりの動かし方がかっこいい。

演奏が終わったところで、チャーベくんが「カジくんのジャンプが昔より低くなってる」と指摘。この日のメンバーはあまりカジくんを褒めずに悪口を言ったりからかったりするんだけど、そこに愛情が感じられて、見ていて嬉しかった。根も葉もないことを言われて「みんな嘘ばっかり言って、僕のこと悪く言おうとする」って、カジくんが一生懸命否定しているのがおかしくて笑ってしまう。「もうやだ」ってぷりぷり怒ったりしている様子がかわいくて、これだからみんなから愛されるんだなって思った。湿っぽい雰囲気に全然ならないのに、「カジくんにはいい友だちがたくさんいるんだなぁ」と思って、私が泣きそうになってしまった。

この日のライブを魅力的にしているものは、一朝一夕で手に入るものではない。ライブが楽しければ楽しいほど、カジくんが15年で積み上げてきたものの大きさが胸に迫ってきて、「楽しいのに泣きそう」というおかしな状態になってしまった。魔法みたいに素晴らしい時間。カジくんを大好きな人たちと一緒に、大好きなカジくんの15周年を祝う喜びでクラクラしてしまった。

最後はカジくん。待ちわびていたのだけど、終わるのが惜しくなってしまって、ちょっと切ない。カジくんは服を着替えて茶系のネクタイに黒い帽子で登場。もちろん今日も半パン!

一曲目は「パッション・フルーツ」。コーラス部分をみんなで歌ってから演奏に入る。これですっかり「今日はカジくんと一緒に歌うぞ」という気持ちになってしまった。会場全体がこの一瞬で惹きつけられたような感触があった。「yeah! yeah!」のかけ声も、手を振るのもすごく楽しくて、カジくんはいつも通りキラキラしてて、この場にいられることを心から幸せだと思った。

続いて、「甘い恋人」。カジくんと一緒に何度も歌った曲だ。「甘い甘い」をみんなで合唱するのが楽しい。この日のカジくんは「今年最後の甘いだよ」なんて言っていた。

「footballing weekenders」では熱くて激しいカジくんを見せてくれる。カジくんのフットボールソングはどれもかっこいい!甘いのもいいけど、激しいのもカジくんにはよく似合う。手拍子をいれるのが楽しかった。ナリくんの歌も最高!

「たまごの中の欲望」は私の大好きな曲だ。歌詞も完璧に覚えている。いつもは見たり聴いたりするのに夢中で歌ったりしないんだけど、この日はカジくんと一緒に歌ってしまった。自分でもびっくりするけど、それがすごく楽しい。「月に飛び乗って」って歌いながら右手を高くかかげるカジくんを見て、感極まってしまった。

カジくんのデビューCD『MUSCAT E.P』に入っている「ささやかだけれど、役にたつこと」が聴けたのも嬉しかった。レイモンド・カーヴァーの短編と同じタイトルのこの曲、歌詞がすごく好き。カジくんの書く歌詞は叙情的でありながら感傷的になりすぎないところが魅力。沈み込むことのないフワフワした感じじゃなくて、どんなに深く潜っても浮かび上がってくるエネルギーを内包している感じ。

歌詞の素晴らしさに感じ入っていたら、カジくんがメドレーをやってくれると言う。ギターを弾きながらカジくんが次々に演奏してくれた。「Tokyo To London」「レイン」「Falling and loving」「ティアーズ・フォー・フィアーズ」「Feel like the good shoes」「夏物語」っていう感じだったかな。少しずつ色んな曲が聴けて、色んなことを思い出してしまった。弾き語りで聴かせてもらうと、カジくんの歌詞の魅力がよく伝わってくる。

ここでゲストが登場!リディムサウンターのケイシくんだ。リディムはもう解散してしまったけれど、この日はカジくんのバンドでタイチくんがドラムをやっていたし、ケイシくんがボーカルに加わってくれて、カジヒデキリディムサウンターの曲から2曲聴くことができた。一曲目は「Happy Talk」。この曲を歌うカジくんとケイシくんを見られるなんて思っていなかったから、ケイシくんが来てくれるって聞いた時はすごく嬉しかった。二曲目の「亜熱帯ガール」は途中でケイシくんが「TEENS」の歌詞で歌ってくれる。これもまた贅沢だ!クワトロでのライブを思い出して感動してしまった。リディムサウンターの『Days Lead』はすごく好きなアルバム。歌詞が英語なのだけど、どれも短編小説みたいで、歌詞カードを読んだ時に衝撃を受けたのを覚えている。もちろん音も好き。私がリディムサウンターを知ることができたのは、カジくんのおかげだ。

大阪ではやっぱりこの曲!「ヘイヘイベイビーポップ」。この曲、カジくんと一緒に歌えるのが嬉しいんだけど、なんと、カジくんが全く歌わずにお客さんだけで歌うところがあるのだ。みんなでその部分を歌っている時のカジくん、かわいかった。この盛り上がりのままで「Too Much Too Young」。照明の使い方も効果的で、この曲をやる時にガラっと雰囲気が変わるのが好き。熱くて激しいカジくんは最高にかっこいい。

甘くて柔らかくて、キラキラしてて爽やか。そのうえ歌詞に深みがあって、熱くて激しいところも見せてくれる。カジくんの持っているこの幅がすごい。15年間ずっと変わらないものを持ち続けながら、常に新しい顔を見せてくれる。だから長年にわたってカジくんのファンでいられるんだなって思った。私にとってカジくんがどれほど素晴らしい人か、上手く言い表せないけれど、「これからもずっとカジくんはカジくんでいて欲しいな」って思う。カジくんの中から出てくるものなら、どんなものでも大歓迎だ。「これからも半パンを履き続ける」とカジくんは言っていたけれど、半パンでも半パンじゃなくても、私はカジくんが大好き。もちろん半パンに象徴されるようなカジくんのキラキラした部分も大好きだ。

楽しいライブもあっという間に終わりを迎えてしまう。アンコールは「君のハートのナチュラル(Siesta)」。カジくんファンならみんな大好きな曲。「カヌーはのぼる 4つ数えろ」のあとで「Yeah!」と叫ぶのがいい。「たったひとことで」を「そのひとことで」と歌ってしまったカジくんがその流れで二番の歌詞を一番と混同してしまう。それに気付いた瞬間の「あっ、しまった」っていう笑い顔がかわいい。ライブはこういう瞬間があるのが嬉しい。

次はやっぱりこの曲!「ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME」FM802の『BINTANG GARDEN』に出演した時にプレゼントしてもらったというチェルシーのユニフォームをこの日のライブで着ていたカジくん。青いユニフォームがよく似合っていた。最高のプレゼントだ。15の文字が大きく入った背中を見て感激してしまった。堀江さんのピアノで「ラ・ブーム」が聴けるのも嬉しかった。この曲は私がカジくんファンになるきっかけになった曲だ。何年経ってもいい曲だなって思う。「NOW MY BOOM IS ME」って歌うカジくん、最高にキラキラしてた。ベレー帽を押さえてジャンプするのも最高!この日はもうカジくんが幸せそうなのが何より嬉しかった。最後は出演者全員がステージにあがって、「Sunday」。この曲でドラムを叩いてる時のタイチくんが好き。最高に幸せな三時間半だった。

この日のライブはカジくんの魅力が最大限に伝わる構成だった。おしゃれで可愛いところもカジくんの魅力だし、熱くてロックなカジくんもかっこいいけど、カジくんの魅力はそれだけじゃない!濃いメンバーに囲まれるからこそ発揮されるカジくんの魅力。それを堪能できたのが嬉しかった。

カジくんがガリガリガリクソンに肩車をしてもらって、黒い布をかぶって顔だけ出して出てくる。『千と千尋の神隠し』のカオナシを真似ているそうだ。出てきてどうするのかと思ったら、それだけ!ガリクソンからネタの完成度の低さを指摘され、「若手でもこんなことしませんよ!」と怒られていた。両手でマイクを握って、「うん。うん」とガリクソンの話に相槌をうっていたカジくんが、「どうしても、カオナシがやりたくて!」と言い放ったので大笑いしてしまった。カオナシにこだわる割に、カオナシの真似をする時に「う、う、う」と言うカジくん。「あ、あ、あ」が正解だそうだ。ガリクソンに訂正されていた。こういうとぼけたことを平気でやるカジくんを見る度に「神がかってるな」って思う。ジェントルな雰囲気をまとっていながら、恐ろしく自由なところがカジくん最大の魅力!

15周年を振り返った真面目な話はあんまり聞けなかったけど、出演者から「泣く?泣いちゃう?」と言われて、「さっきちょっと泣きそうだった」と言っていたカジくんが、終始笑顔だったのがよかった。いくつになってもカジくんの笑顔はかわいくて、これからもずっと自分の好きなものを追求し続けて欲しいなって思った。来年も再来年もずっと、そんなカジくんを見ていたい。15周年ライブ、参加できて本当によかった。予想をはるかに上回る楽しいイベントだった。カジくんゆかりのミュージシャンの方々も素晴らしかった。何度もみんなに「ありがとう」と言うカジくん。そんなカジくんを見て「こっちこそ、なんとお礼を言っていいかわからないや」って思った。

カジくん、15周年おめでとう!15年間ありがとう!