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ツイッター @hyokofuji ミサ

【本】アカペラ

『アカペラ』 山本文緒 (新潮社) ボケていると娘に疑われているおじいちゃんと、おじいちゃんはボケてなんかいないと断言する中学生の孫。 いとこ同士の恋愛が認められず親戚からも故郷からも逃げ出してしまって、20年振りに帰郷した三十代の男。 病気の…

【本】すべての女は痩せすぎである

『すべての女は痩せすぎである』 姫野カオルコ (大和出版) 姫野カオルコのエッセイ。タイトルは「すべての女は痩せすぎである」と「すべての男はマザコンである」のどっちにするか迷ったそうなのだが、その辺の話はあまり印象に残っていない。というのも、…

【本】ディアスポラ

『ディアスポラ』 勝谷誠彦 文藝春秋 勝谷さん本人が自信作と言っていた作品だけど、十年前に雑誌に掲載されたきり本の形で出版されなかった作品なので、今まで読めずにいた。今月初めに文藝春秋から出版されて、早速買って読んでみた。 原発事故で居住不能…

【本】何も持たず存在するということ

『何も持たず存在するということ』 角田光代 (幻戯書房)新聞とか雑誌とか色んなところに掲載された角田さんのエッセイを集めたもの。 本を読むことや書くことに対する考え方や、『対岸の彼女』や『ロック母』など角田さんの作品が書かれた時の角田さんの心…

【本】その後の不自由

『その後の不自由』上岡陽江・大嶋栄子(医学書院) 私は薬物・アルコール依存の治療施設の存在は知っていたけれど、そこで行われていることについてはほとんど知識がなかった。 仲間と励ましあいながら薬やアルコールを断って、規則正しい健康的な生活を送…

【本】結婚帝国女の岐れ道

『結婚帝国女の岐れ道』信田さよ子 上野千鶴子(講談社) カウンセラーの信田さんと社会学者の上野さんの対談。対談形式の本でこんなに深い内容のものが作れるのかと驚いた。結婚、恋愛、家族などについて丁寧に考えてみたい人にオススメ。考えるきっかけに…

【本】日本人の「正義」の話をしよう

『日本人の「正義」の話をしよう』勝谷誠彦・岡野雅行(アスコム) 勝谷さんの新刊で、岡野工業の社長岡野雅行さんとの対談をおさめたもの。 岡野工業というのは痛くない注射針を発明して有名になった会社。 痛くない注射針意外にも色んな物を作って大企業と…

今できること 2011.3.11

金曜は大学図書館へ行っていたのだけど全く地震の揺れには気づかなかった。 大阪でも揺れを感じたという話を複数の人から聞いたけど、帰りも普通に地下鉄は動いているし全く混乱はなかった。 うちに着いてテレビを見ると信じられないような映像が次々に映し…

カジヒデキとリディムサウンターTEENS FILM SHOW 2011.2.20

カジヒデキとリディムサウンター 【TEENS FILM SHOW】 心斎橋クラブクアトロ 2011.2.20(sun) 『TEENS FILM』というアルバムが去年の11月にリリースされ、それに合わせたツアーが2月にあった。 このアルバムはカジく…

【本】苦役列車

『苦役列車』 西村賢太 (新潮社) 中卒で日当5500円の日雇い仕事を続ける19歳の北町貫多が主人公。 現場で必要とされる資格を取ろうとするどころか続けて出勤することさえしない。 生活するうえでギリギリのお金さえあれば、仕事に行かず一日家で過ご…

【本】父さんのsh*t発言、つぶやきます

『父さんのsh*t発言、つぶやきます』 ジャスティン・ハルパーン (阪急コミュニケーションズ) ジャスティン・ハルパーンという映画の脚本家を目指している青年が、彼女に振られ、住む場所を失って、とりあえず実家に帰ってきた。 そこで待っていたのは仕事…

【本】風が強く吹いている

『風が強く吹いている』 三浦しをん (新潮社) 年末に友人から貸してもらい、駅伝を見る前に読もうと思っていた本。 三浦しをんはエッセイが面白くて気に入っていたのだけど、小説もいい! これは駅伝を扱った青春小説。 高校の陸上部で活躍していたハイジ…

【本】累犯障害者

『累犯障害者』 山本譲司 (新潮文庫) 実刑判決を受けたことがあり、『獄窓記』という刑務所内の実態を記した著書もある山本譲司の本。 福祉の網からこぼれ落ち何度も犯罪を犯しては刑務所に戻ってきてしまう知的障害者の存在に焦点を当てることで、更生保…

【本】私たちには物語がある

『私たちには物語がある』 角田光代 (小学館) 作家さんの読書案内はやっぱり面白いなぁと思った。 角田さんはこれを感想文集というのだけれど。 本に対する愛情が伝わってくる内容で、読んでいるとどの本も素晴らしく感じられる。 こんな風に本を読んで、…

【本】アサッテの人

『アサッテの人』 諏訪哲史 (講談社文庫) 図書館で見かけて借りてあんまり面白かったので、文庫本を買って再読。 この本の感想を伝えるのに言葉を使って表現するしかないことが皮肉だなぁと思うような内容。 教えを説くことを嫌い問答を繰り返したソクラテ…

【本】体の贈り物

『体の贈り物』 レベッカ・ブラウン 新潮文庫 エイズ患者の世話をするホームケア・ワーカーの女性を主人公にして、彼女と患者やその家族との関わりを描いた短編集。 著者自身もホームケア・ワーカーをしていたことがあるためか、小説なんだけど、リアリティ…

【本】私の男

『私の男』 桜庭一樹 文藝春秋 結婚を控えた二十四歳の女性が「私の男」と呼ぶのは、彼女の養父。 震災で両親と兄妹を一度に亡くした9歳の竹中花を当時25歳の腐野淳悟が引き取った。 それからの15年間を二人で生きてきたのだから、絆が強く見えるのは当…

カジヒデキSEMI-TROPICAL GIRL TOUR 2010.7.21

カジヒデキ SEMI-TROPICAL GIRL TOUR 2010.07.21(水)大阪:梅田Shangri-La 私にとって、3回目のカジくんライブ一曲目は『パッションフルーツ』夏らしい曲で大好き。「ライブの前にリリースがなかったのでお客さん入ってくれるかなぁと心配していたのだけど…

【本】カラーひよことコーヒー豆

『カラーひよことコーヒー豆』 小川洋子 (小学館) 小川洋子のエッセイ集。 どの話も、小川さんが物や人に丁寧に接している様子が伝わってきて、読んでて楽しい気分になってくる。 「思い出のリサイクル」という話で、小川さんが些細な思い出を大事にして、…

【本】ステップ

『ステップ』 重松清 (中央公論新社) 結婚三年目で奥さんが突然亡くなってしまい、一人で一歳の娘を育てる決意をした、お父さんが主人公。 仕事が長引いて保育所に迷惑をかけたり、小さい子どもを育てているということで会社の人たちに気を遣わせてしまっ…

柳家小三治独演会 2010年4月10日

2010年4月10日、神戸の松方ホールでの柳家小三治独演会に行ってきた。クラシックのコンサートをやるような大きなホールなのだけど、二階席まで満席だ。 一階の十列目にある自分の座席に着いて、「結構近いなぁ」と思い、興奮する。 受付でもらったチラシ類を…

【本】きりこについて

『きりこについて』 西加奈子 (角川書店) 美男美女の両親の間に生まれたきりこは、みんなに可愛がられ、自分がぶすだということに全く気付いていなかった。 両親にとっては、きりこが客観的に見てどの程度の容姿であれ可愛いに違いないのだから「可愛い可…

【本】くまちゃん

『くまちゃん』 角田光代 (新潮社) ふられ話ばかり集めた短編集。 一つ一つの話は独立しているのだけど、登場人物が共通してたりして面白い。 《数年前にこういう経験をしたこの人が、今はこういうことを考えてる》っていうのが追えて、本当に実在する人物…

【本】見とれていたい

『見とれていたい』 柴崎友香 (マガジンハウス) 「女の子が踊っているシーンがあるというだけで、もうその映画は合格!」と言ってしまうほど女の子の魅力に弱い柴崎さんが、自分が素敵だと思う女優やアイドルについて自由に語ったエッセイ。 私もかわいい…

逸翁美術館

呉春の「白梅図屏風」が見たくて、池田市にある逸翁美術館へ行ってきた。市役所の前をずっと五月山の方へ歩いていく。 美術館はすぐわかるところにあった。 中に入ると一番に目に付いたのが「白梅図屏風」 右隻に描かれた老木の枝の様子がいい。 曲がりくね…

呉春

『美の巨人たち』で、呉春(松村月渓)という画家が紹介されていた。 彼は、江戸中期に隆盛を極めた、与謝蕪村、円山応挙とゆかりのある人で、江戸後期に新たな境地を開いた四条派の祖として有名。 四条派の作風は竹内栖鳳、上村松園、土田麦僊、小野竹喬に…

【本】静子の日常

『静子の日常』 井上荒野 (中央公論新社) 静子さんは、息子夫婦と高校生の孫娘と同居する、75歳のおばあちゃん。 彼女は家族の心配をよそに、スイミングスクールに通い始めた。 家の前からバスに乗ればフィットネスクラブの前まで連れて行ってくれるんだ…

カジヒデキライブ!

2月9日、心斎橋クラブクアトロであった、カジヒデキのライブに行ってきた。 『STRAWBERRIES AND CREAM』という10月に発売されたアルバムの曲を中心に、懐かしい曲もたくさん聴けて楽しかった。 今回はカジくんが事前にリクエストを募集していて、その中…

【本】人は見た目が9割

『人は見た目が9割』 竹内一郎(新潮新書) 非言語コミュニケーションについて書かれた本。 アメリカの心理学者の出した実験結果によると、他人から受け取る情報の割合は次のようになるそうだ。 顔の表情:55パーセント 声の質(高低)、大きさ、テンポ:…

【映画】おとうと

『おとうと』という映画を観に行った。 すごくいい映画だった。 吉永小百合が演じる吟子という女性は薬剤師で、町の薬局を経営している。 吟子は、娘の小春と義理のお母さんの三人で暮らしていて、夫はすでに亡くなってしまっている。 吟子には鉄郎という困…